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フリマアプリ フリル (FRIL) を運営する Fablic の公式開発者ブログです。Fablic のデザイナー・エンジニア・ディレクターが情報発信していきます。

Before UI Design - 定性と定量の間で考える

こんにちは、Fablicでデザイナー兼プロダクトマネージャーをしている @takejune です。最近は筋トレに励んでいます。

先日、弊社で運営しているフリル(FRIL)がGoogle PLAYの2016年ベストアプリに選ばれ、ベストデザイン賞を獲得しました🎉

Material Designに対応し、Androidユーザーにとっての使いやすさを考えてきたことが受賞に繋がったと思っています。

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このように、近年ではプラットフォーマーのデザインガイドラインが充実し、ユーザーにとって易しいUIをつくることが容易になってきました。 また、プロトタイピングの一般化によって試行錯誤のサイクルを回すことも容易になりました。 そのため、いわゆるUIデザインに掛かる時間が短くなっているように思います。

そんな中で、Fablicのデザインプロセスがどのように変化しているのかをお伝えします。

UIに着手するまでが長くなってきた

アプリのデザインプロセスは「UIに着手する前」と「UI」に大別することができます。

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Fablicでは前者に時間を使う割合が、どんどん増えてきました。

定性調査が減って、定量調査が増えてきた

定性調査について

これまでFablicでは、定性調査をサービスデザインの主軸に据えてきました。 詳しい手法はこちらのスライドにまとまっています。

ひとりひとりの考えを深く知ることができ、回数を重ねることでユーザーの共通認識を知ることができるこの手法には、ずいぶん助けられてきました。 今でも、一定のニーズを満たす製品をゼロイチでつくっていくフェイズでは非常に有効な手段であると思っています。

定性調査が機能しなくなるとき

しかしサービスの拡大に伴って、定性調査だけでは問題の発見が難しいと感じることが増えてきました。

その要因のひとつは「サンプル(調査対象)に偏りが生じやすい」ということです。 ユーザーを採用したり、ユーザーにアンケートを配布するといったコミュニケーションでは、標本(サンプル)がヘビーユーザーに偏りがちです。

また多様化したユーザーのどの群に属するのかによって、意見も様々です。 十把一絡げにユーザーの声を集めても、機能しづらいフェイズに入ったのだと認識しました。

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定量調査について

一方で、Fablicではこれまでも定量的な調査分析を行い、データによる意思決定をしてきました。 定性調査が壁にぶつかったことが、それを強化していくきっかけになりました。

具体的にはRe:dashというツール*1 の導入によって、データを「調べる」「視覚化する」「共有する」の一連の流れを、職種問わず全てのメンバーができるようにしました。

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全員がデータにアクセスできるようになってみると、これまでのデザインプロセスが突如として盲目的なものに感じられました。意思決定の判断材料を自分の手で仕入れることができないのは、ストレスフルな環境なのだという気づきがありました。

定量調査が苦手なこと

定量調査で得られるデータは事実ですが、それを読むのは人間です。 だから万能ではありませんし、裏目に出ることもあります。

データは行動の結果を示してくれますが、行動の動機を教えてくれませんし、 人間はデータから間違った傾向や、相関関係を見出してしまうこともあります。

それらはきちんとユーザーと対話していれば、すぐにわかることだったりします。 定性と定量は両目のようなものです。片目をつぶってデザインすることはむずかしいんじゃないかと思います。

定性調査は役に立たない?

もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、彼らは「もっと速い馬が欲しい」と答えていただろう。

とヘンリー・フォードが本当に言ったのかはさておき、ユーザーに意見を求めても無駄だと考えている人は多いように思います。 そこで立ち止まってみて考えてほしいのは、「なぜユーザーは速い馬が欲しい」と答えたのか?ということです。

ユーザーは自分にとって良いと思うことを教えてくれますが、サービスの長期的な成長に効く施策を教えてくれるわけではありません。 でも、要望の妥当性はともかくとして、その要因になった事実は存在します。

「火のないところに煙は立たない」という言葉がありますが、見つけるべきものを火ではなく煙だと思えば、別の発見があるのではないでしょうか。

まとめ

  • UIをつくることより、UIに着手する前によく調べ、よく考えること
  • 定性調査も定量調査も一長一短あり、分析を両輪で回すこと
  • ユーザーの要望を叶えるのではなく、その要因となった事実を追求すること

最後まで読んでいただきありがとうございました。 Fablicでは執念深くユーザーの行動を分析できる人を募集しています。

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*1:明日のエントリーで詳しくご紹介します