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iOSの段階的リリースについての注意点

こんにちは。shobyです。 皆さんはWWDC 2017で発表されたiOSの段階的リリース機能はもう試しましたか?

フリルではこの度のv6.7.0のリリースで段階的リリースを試している真っ最中です。 これにより、iOSの段階的リリース機能はAndroidのものとは異なり、注意が必要であることが分かりました。

今回は、段階的リリースを行う際の注意点などについてご紹介します。

概要

  • iOSの段階的リリースとは
  • iOSの段階的リリースの注意点
  • アプリの配布割合を厳密にはコントロールできない
  • 問題があった場合の差し替えができない
  • 段階的リリースの効果的な使い方

iOSの段階的リリースとは

iOSの段階的リリースはアップデートの浸透を緩やかにしてくれる機能です。

アプリの自動アップデートをオンにしているユーザーに対して、アップデートの段階的配布が行われます。

itunespartner.apple.com

使い方は、iTunes Connectで段階的リリースを有効にするだけ。リリース後、日数経過で自動的に配布割合を引き上げてくれます。

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手動で段階を引き上げることはできませんが、すべてのユーザー向けにリリースすることは可能です。

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また、アップデートに問題があった場合は、最大30日間、段階的リリースを一時停止することができます。

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iOSの段階的リリースの注意点

iOSの段階的リリースには、主に以下の二つの注意点があります。

  • アプリの配布割合を厳密にはコントロールできない
  • 問題があった場合の差し替えができない

アプリの配布割合を厳密にはコントロールできない

iOSの段階的リリースでは、Androidのように配布割合を厳密にコントロールできません。

例えば、1%リリースをしているつもりでも、1%以上のユーザーが新バージョンを利用する可能性があります。

これは、iOSの段階的リリースが、「自動アップデート用の段階的リリース」機能であり、新規インストールや手動でのアップデートが対象外であるためです。

箇条書きにすると以下のようになります。

  • 新規インストール:新バージョンを即日利用可能
  • 手動アップデート:新バージョンを即日利用可能
  • 自動アップデート:一部のユーザーから徐々にアップデートが適用される

フリルでは、リリース初日の1%リリースの段階で、アクティブユーザーのうち約7%が新バージョンでした。*1

新バージョンのみで提供する機能がある場合は、公開割合以上のアクセスが来ても問題ないように設計するのが良いと思います。

問題があった場合の差し替えができない

iOSの段階的リリースでは、問題があった場合でも、Androidのような差し替えはできません。 hotfixの新しいバージョンを審査に出し、別途リリースする必要があります。

自動アップデートの配布は停止できますが、その間の新規インストールや手動アップデートは防げないため、急いで対処をする必要があります。

段階的リリースの効果的な使い方

iOSの段階的リリースは、「被害を最小限に抑えるための保険」として使うのが良さそうです。

既存のリリース方法よりもアップデートの浸透を緩やかにでき、問題が発生した時の被害を最小限に抑えることができます。

ただし、一度世に出したアップデートは取り消しが効かず、問題の修正には審査というボトルネックがある点は変わっていません。 今まで通り、テストは入念にすべきであり、リリースに注意が必要という点は変わっていないと思います。

まとめ

iOSの段階的リリースは、アップデートの浸透を緩やかにできる機能ですが、いくつか注意が必要です。

まず、アプリの配布割合は厳密にはコントロールできない点です。新規インストールや手動アップデートを行うと、新バージョンを即日利用することができます。

また、問題があった場合の差し替えは行うことができません。

段階的リリースは、被害を最小限に抑えるための保険として利用し、今まで通りテストは入念に行い、注意してリリースするのをおすすめします。

*1:Google Analytics調べ