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CMの費用対効果分析:時間帯別のCPIを推定する

こんにちは。shobyです。

フリルでは定期的に全国でCMを放送しており、各CMの効果計測をする必要が生じています。

今回は、CMの費用対効果を向上させるため、時間帯別のCPIを推定する方法をお伝えします。

概要

  • CM投下の最適化粒度
  • CM視聴者のインストール行動について
  • 時間帯の定義について
  • 時間帯ごとのインストール数を集計する
  • CMによるインストール増加数の推定
  • 時間帯別の推定CPIを活用する

CM投下の最適化粒度

CM投下の最適化に関しては、主に以下の4段階の粒度が存在します。

  1. 都道府県の最適化
  2. 曜日の最適化
  3. 時間帯の最適化
  4. 番組の最適化

今回は、より粒度の細かい時間帯別での最適化の話をします。

より効果の高かった時間帯のCM投下量を増やすことが目的です。

CM視聴者のインストール行動について

wywyというCM分析サービスの調査によれば、CMをきっかけにしたWebトラフィックの80%は90秒以内に発生し、アプリのインストールのほとんどは9分以内に行われるといった結果が得られています。

How to attribute app downloads to TV advertising | wywy

そのため、各時間帯のCMは、他の時間帯のインストール数にはほぼ影響を与えず、独立していると考えることができます。

昼の時間帯のCMは昼の時間のインストール数にしか影響を与えず、夜の時間帯のCMは夜の時間帯のインストール数にしか影響を与えないはずです。

時間帯の定義について

フリルの調査においては、以下の区分で「時間帯」を定義しました。

  1. 6:00〜9:00
  2. 10:00〜14:00
  3. 15:00〜18:00
  4. 19:00〜21:00
  5. 22:00〜27:00
  6. その他

これらの時間帯区分は、CMにおいてユーザー属性が変わると言われている区分を参考にしています。

スポットCMの基本セールスパターン | テレビCM実践編 | 日テレ 広告ガイド

6:00〜9:00は通勤、通学前の社会人や学生に届きやすく、22:00〜27:00は大学生などの若者に届きやすい時間帯です。

このように、それぞれユーザー属性が異なると考えられる単位で時間帯を分割して、推定CPIを用いた相対比較を行いました。*1

時間帯ごとのインストール数を集計する

今回はFirebaseとBigQueryを用いて、時間帯ごとのインストール数を求めました。*2

時間帯ごとのインストール数を求めるクエリは以下のような形です。

SELECT
  DATE(DATE_ADD(event_dim.timestamp_micros, 9, 'HOUR')) AS install_date,
  CASE
    WHEN HOUR(DATE_ADD(event_dim.timestamp_micros, 9, 'HOUR')) = 6 THEN 1
    WHEN HOUR(DATE_ADD(event_dim.timestamp_micros, 9, 'HOUR')) = 7 THEN 1
    ...
    ELSE NULL
  END AS time_period,
  EXACT_COUNT_DISTINCT(user_dim.device_info.resettable_device_id) as install_count
FROM  your_table_name
WHERE
  user_dim.geo_info.country = 'Japan'
  AND event_dim.name = 'first_open'
  AND user_dim.device_info.resettable_device_id IS NOT NULL
GROUP BY install_date, time_period
ORDER BY install_date, time_period

これにより、各時間帯に対して、日毎のインストール数の変化を分析することができるようになります。

CMによるインストール増加数の推定

CM前の期間から通常値(ベースライン)を推定し、ベースラインとの差分をCMによるインストール増加数として考えます。

詳細はこちらの記事に書きましたのでご参照ください。

in.fablic.co.jp

これにより、各時間帯に対して、CMの影響によるインストール増加数を推定することができます。

各時間帯ごとの費用を、推定インストール増加数で割ることにより、推定CPIを求めることができます。

時間帯別の推定CPIを活用する

時間帯別の推定CPIを比較し、より費用対効果の高い時間へのCM投下量を増やすことで、同じ広告費でもCMの効果を高めることができます。 ただし、CPIの高い時間帯であれば単純に良いというわけではないのが注意が必要です。

CPIが改善されていても、獲得できるユーザー層が、ターゲットとなるユーザー層とずれてしまっている場合もありえます。 どのようなユーザー層であっても良いので効率的に獲得したいのか、狙っているユーザー層のみを獲得したいのかは、サービスのマーケティング戦略に依存します。

新規に獲得できたユーザーを属性ごとにクロス分析しつつ、時間帯ごとのCM投下最適化を行うのをおすすめします。

まとめ

今回は、時間帯ごと費用対効果分析を行い、より効果の高かった時間帯へのCM投下量を増やすことを目的として分析を行いました。

調査によれば、CM視聴者は9分以内にアプリのインストールを行うため、各時間帯のCMの影響はその時間帯内で独立していると考えることができます。

視聴者属性の異なる時間帯区分ごとに分割し、推定CPIを求めることで、CM投下時間帯の最適化の判断材料として活用することができます。

ただし、CPIが良くても目的のユーザー層を獲得できていない場合があるため、獲得できたユーザーの属性も分析しつつ、マーケティング戦略を考えていきましょう。

*1:こちらの記事にも書いたように、CMでは厳密なCPIを求めることができないため、推定CPIを元に異なる条件の結果を相対比較をします。

*2:インストールデータが別途記録済みであれば特にFirebaseを用いる必要はありません。