inFablic | Fablic, inc. Developer's Blog.

フリマアプリ フリル (FRIL) を運営する Fablic の公式開発者ブログです。Fablic のデザイナー・エンジニア・ディレクターが情報発信していきます。

CMにおける「残存効果」を生み出す要因について

こんにちは。shobyです。

フリルでは定期的に全国でCMを放送しており、各CMの効果計測をする必要が生じています。

今回の記事は、CMにおける「残存効果」を生み出す要因について考察しました。*1

CMにおける「残存効果」とは何か

CMには「残存効果」と呼ばれる効果があることが経験的に知られています。 CMは広告効果が長期的に残存し、影響を及ぼすと考えられています。

インストール数を例に例に取ると、以下のような効果があることが分かっています。

  • CM放送期間の後半になるほど、放送量単位のインストール数が増加する
  • CM放送期間が終わっても、しばらくはインストール数が増加する

実際のフリルのデータをご覧ください。以下のグラフはインストール数であり、赤枠がCMの放送期間を表しています。

f:id:shoby:20170815184156p:plain

CM放送が終わっても、インストール数がCM以前より増加しているのが分かります。

このような効果は、一般的なオンライン広告では発生しません。 この残存効果が、オンライン広告とCMの大きな違いの一つとなっています。

残存効果を生み出す要因

CMの残存効果は以下のような現象が重なった、複合的な物であると考察しました。

  • CM閲覧回数の増加に伴う反応率の上昇
  • CMによるオンライン広告への反応率の上昇
  • CM閲覧による口コミ効果

CM閲覧回数の増加に伴う反応率の上昇

同じCMを何度も閲覧することで、そのCMに関する反応率が上昇します。 そのため、CM放送期間の後半になるほど、放送量単位のインストール数が増えるという現象が発生します。

一般的には、視聴者は同一の広告に3回接触した際に行動を起こすことが知られています。*2

CM放送では後半になるほど3回以上接触する視聴者が増えるため、日別の放送量が同一でも良い効果が出ます。

この影響が「残存効果」と呼ばれる効果の要因の一つです。

CMによるオンライン広告への反応率の上昇

CM放送中、もしくはCM放送後は、オンライン広告への反応率が上昇し、獲得効率が上がることが経験的に分かっています。

これに関しても、同一の広告に3回接触した際に反応率が高まるという現象で説明できます。

CMを1〜2回しか閲覧していなかった視聴者が、2〜3度目にオンライン広告を閲覧することで、通常よりもオンライン広告への反応率が高まることが考えられます。

この影響はCM放送終了後もしばらく続くため、CMによる「残存効果」の要因の一つと考えることができます。

CM閲覧による口コミ効果

CMは口コミ効果を生み出しやすいため、CM放送中、もしくはCM放送後もオーガニックインストール数が増加します。

CMは、同時期に、多くの人が、同じ内容の広告を見ることになるため、通常のオンライン広告よりも話題になりやすい広告です。 特に好感度の高いタレントがCMに出演している場合や、CMの内容が記憶に残りやすい物の場合は、SNSなどでも話題になりやすくなります。

実際にフリルのケースでも、CM期間中はTwitter等のSNSでフリルへの言及数が増えました。

これらの影響はCM放送終了後もしばらく続くため、CM放送終了後もオーガニックインストール数が増加します。 これもCMによる「残存効果」の要因の一つと考えることができます。

まとめ

CMはオンライン広告と異なり、広告効果が長期的に影響を及ぼす「残存効果」と呼ばれる効果があることが知られています。

今回は、この残存効果は、CM閲覧回数の増加に伴う反応率の上昇、CMによるオンライン広告への反応率の上昇、CM閲覧による口コミ効果などの要因から生まれる複合的なものであると考察しました。

広告への接触回数が3回以上になることでCM放送期間の後半やCM放送後も反応率が上昇し、それを口コミが補完することで残存効果を生み出していると考えています。

*1:この記事はフリルで観測できるデータと、経験則に基づいた考察であり、調査などで実証されたものではありません。ご了承ください。

*2:H.E.KrugmanのWhy Three Exposures May Be Enoughで述べられている理論です。日本では「スリー・ヒッツ・セオリー」と呼ばれています