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Firebaseのデモグラフィックデータを用いたCM分析

こんにちは。shobyです。

フリルでは定期的に全国でCMを放送しており、各CMの効果計測をする必要が生じています。

今回は、Firebaseのデモグラフィックデータを用いて、CMの効果を分析する方法をご紹介します。

デモグラフィックデータとは

マーケティング分野では、ユーザーをいくつかのセグメントに分けて、ターゲットとなるセグメントに対して施策を打つのが一般的です。

この際、ユーザーをセグメント化する際に参考となる属性データをデモグラフィックデータと呼びます。*1

CMに関するマーケティングにおいては、特に以下の属性データを用いたセグメント化が行われるのが一般的です。

  • 年齢
  • 性別
  • 居住地(都道府県)

CM調査会社においては、年齢と性別を元に以下のようにセグメント化して調査が行われています。

  • F1層:20〜34歳の女性
  • F2層:35〜49歳の女性
  • F3層:50歳以上の女性
  • M1層:20〜34歳の男性
  • M2層:35〜49際の男性
  • M3層:50歳以上の男性

ビデオリサーチ社の用語集から引用

Firebaseで取得できるデモグラフィックデータについて

Firebaseでは、インストール元地域、年齢、性別といったCM分析に必要なデモグラフィックデータを取得できます。

しかし、詳細な分析に利用できるデータと、そうでないデータに分けられます。

詳細な分析に利用できるデータ(BigQueryにExport可能)

Firebaseのインストール元地域のデータはBigQueryにExportでき、詳細な集計を行うことができます。 FirebaseとBigQueryを連携することで、全インストールに対する生データを参照することができるようになります。

取得できる主なデータは以下の通りです。

  • 都道府県
  • 市区町村

これらはIPアドレスに基づいたデータになります。 詳細は以下のページをご覧ください。

BigQuery Export スキーマ

詳細な分析に利用できないデータ(Firebase Console経由のみ参照可能)

年齢、性別といったユーザーのプライバシーに関わる情報は、Firebase Console(管理画面)上で集計済みの統計情報しか閲覧できないようになっています。

具体的なデータは以下の通りです。

  • 年齢
    • 18~24、25~34、35~44、45~54、55~64、65 以上のいずれか
  • 性別
  • 興味 / 関心

これらの属性データは、IDFAなどの広告IDを元に、ユーザーのアクティビティからGoogleが推定したデータであるようです。

support.google.com

これらのデータはユーザーのプライバシーに関わるため、集計済みの統計情報しか閲覧できないようになっています。 BigQueryにもExportできず、ユーザー個人の性別や年齢を特定することはできません。*2

これらのデータを使った分析は、生データを参照することができないため、Firebase Console上で可能な分析しか行うことができません。

Firebaseから取得できるデモグラフィックデータの活用

インストール元地域のデータに関しては、BigQueryを用いた詳細な分析を行うことができ、CM分析にも有効利用することができます。

フリルでは、Firebaseの都道府県情報を用いて、CMにおける都道府県別推定CPIの算出、などの用途に利用しています。

それに対し、年齢、性別などのデータはCM分析に利用するのが難しいデータです。

現状、Firebase Consoleでできる分析は限られており、生データが参照できないため、以下のような分析は行うことができません。

  • 時間帯ごとの年齢、性別分析
  • 都道府県ごとの年齢、性別分析*3
  • インストール経路ごとの年齢、性別分析*4

フリルでは現状、CM期間全体、新規獲得ユーザー全体の傾向を把握するために利用しています。

まとめ

Firebaseを利用することにより、インストール元地域、年齢、性別といったデモグラフィックデータを取得することができます。

インストール元地域に関してはBigQuery経由で生データが参照でき、都道府県別の推定CPIを算出するといった詳細な分析に利用することができます。

年齢、性別などのユーザーのプライバシーに関するデータは、FirebaseのConsoleから集計済みの統計情報しか閲覧できないようになっており、利用方法が限られます。 これらは、CM期間全体、新規獲得ユーザー全体といった、全体の傾向を把握するために利用できます。

*1:元々の意味は人口統計学に基づく、人口統計にまつわる属性データのことです。

*2:集計対象の件数が閾値以下の場合は、集計された情報さえも見ることができない仕組みなようです。

*3:Firebase Console上では国までしか参照できません

*4:広告IDを元に広告経路情報を突き合わせることができない