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芯を通すリブランディング -デザインに入るまで- (@wariemon)

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こんにちは。Fablicのデザイナーのわりえもん (@wariemon) です。
この記事は Fablic Advent Calender 2016 の記事です。
 
フリルのリブランディングを担当した際に、新規のブランドつくりと違うチェックポイントが存在することに気づきました。
その上でリブランディングにおいて、非常に重要な「デザインに入るまでのプロセス」についてお話させていただきます。
 
 
 
 
デザインに入るまで
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今回は全体の中の一番最初、「デザインに入るまで」の部分について見ていきます。 
 
自分たちが目指すものとビジュアルを一致させる「芯を通す」リブランディングをするための大きな足がかりをつくることができます。
「新しいものに変える」ことをゴールにするのではなく、目的に応じたデザインを行うために、この足がかりの部分をしっかり固めていきましょう。
 
 
 
① 周りを知る
 
まずは、自分の競合となるサービスの「ビジュアル」「ビジョン(目的)」「価値観(何を大事にしているか)」を見ていきます。 

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まずは、わかりやすくビジュアルの話です。
競合サービスのアイコンやUIを分析することで、用いられるモチーフの系統や、現在のトレンドなどがつかめます。
 
また、どういう思いでサービスをつくり、そのために何を実行していくのか。それを探っていきます。
 

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例でいうと、メモ・ノートアプリを作っている際には、『Evernote』 のような、大きな存在は見逃せないでしょう。
 
彼らは「すべてを記録する」ビジョンに、それを達成するために「どこでも使えること」「情報を素早く引き出せること」「誰とでもシェアできること」欠かせない価値観として持っています。
 
そしてロゴは「Elephants never forget (象は決して忘れない)」という諺と、ノートの端を折るドッグイヤーをかけて、像のシルエットがぺらっとめくれたような、ビジョンとアウトプットの合いの子のような存在になっており、バックグラウンドを知れば知るほど納得できるロゴとなっています。
 
 
競合のビジュアルから安易に似たものをつくることは起こりがちですが、この場合、表面だけを見ていることが大半だと思います。
 
実際には、ビジョンと価値観から、ビジュアルや体験の設計が導き出されているのが理想です。
いきなり作りだすのではなく、周囲を知ることで、表現のバッティングだけでなく、思想や着地点のバッティングを防ぎましょう。
 
また、「競合度合い」「市場における支配力」もまとめておくと、リブランディングにおける影響度がわかりやすく、オススメです。
 
 
 
② 自らはどうあるべきか
 
周りの状況を理解したところで、改めて自らのサービスの話に戻りましょう。
 
まず競合をリサーチしたのにはもう一つ理由があり、リブランディングには「動機」が存在します。これは、競合だったり周囲がきっかけになっていることが多々有るため、①の過程をしっかり通ることで、妥当な理由になっているかを判断できます。 

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ここまで競合のサービスに行ってきたように、「ビジョン(目的)」「価値観」に加えて「未来像」を自分のサービスに当てはめて書いていきます。
 
新しくなったサービスが何を目指すのかが「ビジョン」に、それを達成するために大事にすることが「価値観」に、そして、それを達成したときにどんな世界が待っているかが「未来像」になります。
 
先ほどの、『Evernote』の例からもわかる通り、まず言語化することによって、ビジュアルをつくる上でのキーワードを見つけやすくなったり、納得感を生むストーリーができるきっかけになります。 f:id:wariemon:20161214112722p:plain
そして上記に加えて ターゲットユーザー像 においてもはっきりさせていきましょう。特に「コアユーザー」「コアユーザーが使うと使ってくれる人」をはっきりさせることで、リブランディングした結果、「だいたい反応はいいけれども、ターゲットとしているひとに使われなくなった」などといった失敗を防ぐことができます。
 
 
 
③ 変えないという選択肢
 
大前提なのですが、現状のユーザーにとって大規模なリブランディングは嬉しいことではない可能性が高いものです。
慣れ親しんだものが変わることによる拒否反応は必ずあり、サービスから足が遠のいたりすることは容易に想像できます。
これは、単にビジュアルというよりも、サービス内容の変更など体験に関わる部分が要因なことが多いのですが、リブランディングはビジュアルから体験に至るまで広範囲にわたるものなので、その変更範囲に対して、「本当に必要なものなのか?」という問いかけは常に忘れないようにしましょう。
 
そもそもですが、現状のロゴは変える必要があるかどうかも検討してみましょう。
改めて見直してみると、ディティールの詰めだったり、微調整などで、印象が大きく変わることもありますし、ユーザーの慣れを無為にしないで済むかもしれません。
 
冒頭で書いたようにゴールは「新しいものに変える」ではありません。
今一度、振り返って現状のものがもつ良いところ、抱える問題点を確認してみましょう。
 
 
この点に関しては、以前に書いた記事 "フリルのロゴができるまで" において、フリルの時に考えたことをまとめています。
一度、変えない選択肢を考えることで、結果的に新しいものをつくる強い後押しとなります。

 
 
 
デザインは手を動かす前から始まっている
 
ブランディングの話となると、よく表にでてくるのは、デザインスケッチだったり、パターン案だったりとアウトプットの話が多いですよね。
しかし、芯の通ったブランディングをするためには、その前のリサーチから、言語化の部分から、手を動かすデザイナーが関わることが重要です。
 
とりわけリブランディングには、現状への理解や、今いるユーザーへの影響を考えたり、新規のものに加えて考慮しないといけない部分も多く、どれもないがしろにはできない内容です。
手を動かすまでの一連の流れも、立派なデザインだと考えています。
 
 
今回の記事では、具体的にわたしがリブランディングをする上で、行ってきたこと、重要視した部分をかいつまんで説明させていただきました。
 
この記事の一部でも、みなさんのプロダクトに役立てば幸いです。